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大場 弘則; 柴田 猛順
J. Vac. Sci. Technol., A, 16(3), p.1247 - 1250, 1998/00
電子ビーム蒸発源における蒸発効率を向上させるため、ハースライナと焼結タングステンで製作した多孔質体からの銅の蒸発を試みた。蒸気フラックスを水晶振動子型膜厚計及び真空天秤、表面温度分布をCCDカメラ、蒸気流角度分布を蒸着重量、蒸発部生成プラズマをラングシュアプローブ、蒸気変動及び蒸気組成を四重極型質量分析計で測定し、これらの蒸発特性を水冷銅るつぼからの蒸発の場合と比較しながら調べた。その結果、水冷銅るつぼからの蒸発に比べて、半分の入力でロッド全体温度を高温に保持でき10以上の蒸気フラックスを得た。角度分布は高密度蒸発でも等方的であった。プラズマ生成量は投入電力が低いため低減できる。対流及び表面のくぼみが形成されないので蒸気変動がなく、また、多孔質体に汚染されないこと等が見出され、安定蒸気流が生成可能であることを明らかにした。
大場 弘則; 柴田 猛順
Proc. of 6th Workshop on Separation Phenomena in Liquids and Gases (SPG'98), p.241 - 245, 1998/00
水冷銅るつぼを用いる通常の電子銃蒸発源は熱損失が大きく蒸発効率が低いこと、原子ビームが蒸発面での液体金属対流による不安定現象で変動することが知られている。これらを改善するために、多孔質体とハースライナーを用いた蒸発を銅、ガドリニウム, セリウムについて試みた。ハースライナーは遮熱しているため、熱伝導によるるつぼへの熱損失が低減できるので、少ない投入電力で表面温度を高くできる。さらに蒸発の生じる多孔質体表面では、対流や液面のくぼみが形成されない。今回の試験で、少ない投入電力で高密度でかつ変動がないこと、多孔質体材料に汚染されないこと、クラスターが生成しないことが見いだされ安定した原子ビーム生成が可能となった。